「いいね」の届かない場所に、棚をつくった
SNSに投稿すると、数分で答えが返ってくる。 いいねの数、リポストの数、インプレッション。書いたものが良かったのかどうかを、画面のほうが先に教えてくれる。
便利だと思う。実際、僕はそれに育てられてきた部分もある。図や文章を出し、反応を見て、次を直す。その繰り返しで、伝え方は確かにうまくなった。
でも最近、少し怖くなった。 反応が良さそうなものから先に作っている自分に気づいたからだ。
タイムラインは、他人の庭だ。 そこでは何を書いても、アルゴリズムという誰かのものさしで並べ替えられる。並べ替えられることを前提に書いているうちに、文章の形まで、そのものさしに寄っていく。
だから、自分の場所をつくることにした。 ブログと、これまで作ったものを並べるだけのサイトだ。
作るにあたって決めたことは、一つしかない。「いつでも持ち出せること」。 既製のサービスは手軽だけれど、そこに置いたものは、サービスの都合で動かせなくなることがある。書いたものくらいは、ただのテキストファイルとして自分の手元に置いておきたかった。
ギャラリーのページでは、作品の下に小さな番号をふった。 標本に付いている、あの小さな札のつもりだ。 番号は作った順につく。出来の良し悪しでは並ばない。
ここには、いいねボタンがない。 誰かが読んだかどうかも、僕にはほとんどわからない。
それで困るのかどうかは、まだわからない。 反応のない場所で書き続けられるほど、書きたいものを持っているのか。正直に言えば、自信はない。
ただ、確かめてみる価値はあると思っている。 数えられない場所に、何が残るのか。 この棚が埋まっていくのか、空いたままになるのか。それも含めて、ここに記録していく。